フリーランスになる前に会社員経験を積むべき理由|社会人時代のスキルが武器になる

【フリーランスの始め方】

「フリーランスに興味はあるけど、もう少し会社員を続けた方がいいのかな?」——こんなふうに迷っている方は少なくないと思います。

結論から言うと、会社員としての経験は、フリーランスになったあと確実に活きます。上司や先輩との関係の中で身につくマナー、組織の中で仕事が回る仕組みの理解、報連相の感覚。どれも独学では手に入りにくいものばかり。

この記事では、SESのITインフラエンジニアとして9年間会社員を経験し、その後フリーランスに転向した筆者が、「会社員時代に何が役に立ったか」を具体的に振り返りながら書いていきます。フリーランスを目指している方が、今の会社員生活をどう活かすか考えるきっかけになれば嬉しいです。

なお、フリーランスへの独立を具体的に考えている方は「フリーランスエンジニアになるには?独立の手順と準備を完全解説」もあわせてチェックしてみてください。

フリーランスへの転向を考え始めたら、まずはエージェントに相談して市場感を掴むのがおすすめです。登録は無料なので、情報収集だけでも損はありません。

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フリーランスに会社員経験が必要だと考える理由

会社員時代、正直なところ「早くフリーランスになりたい」と思っていた時期がありました。でも今振り返ると、あの会社員の期間がなければフリーランスとしてまともにやっていけなかっただろうなと感じています。

ビジネスマナーは現場で身につくもの

名刺の渡し方、メールの書き方、打ち合わせでの発言の仕方。こういった基本的なビジネスマナーは、本を読んだだけでは身につかない。入社1年目で先輩に「メールの件名、もっと具体的に書いて」と指摘されたあの経験が、今のクライアント対応にそのまま活きています。

フリーランスになると、こういった細かい部分を指摘してくれる人がいなくなる。だからこそ、会社員のうちに叩き込まれておくのが一番効率がいいわけです。

目上の方への話し方・距離感の取り方

フリーランスとして参画する現場では、年上のプロジェクトマネージャーや部長クラスの方と直接やり取りする場面が頻繁にあります。会社員時代に上司とのやり取りで鍛えられた「距離感」がないと、ここで躓く人が多い。

SES時代、客先の課長に進捗報告をするのが最初はすごく緊張しました。でも2〜3年続けるうちに、相手が何を聞きたいのかが自然とわかるようになった。要点だけ簡潔に伝えて、詳細は聞かれたら答える。このスキルはフリーランスになってからも毎日使っています。

組織の中での仕事の回り方を知れる

会社員として働くと、稟議の通し方、予算の決まり方、チーム間の調整がどう進むかを肌で感じられます。フリーランスはこの「組織のロジック」を理解していないと、的外れな提案をしてしまうことがある。

たとえば、インフラの改善提案をしたいとき。会社員経験があれば「これは課長決裁で通る範囲か、部長承認が必要か」という感覚がわかるので、提案の粒度やタイミングを調整できます。この感覚は組織で働いた人にしかわからないものだと思っています。

会社員時代に身につけておきたい5つのスキル

9年間のSES経験を振り返って、「これはフリーランスになる前に身につけておいてよかった」と感じたスキルを5つにまとめました。

報連相の基本と応用

報告・連絡・相談の基本は、どの現場でも共通して求められます。特にフリーランスは「この人に任せて大丈夫か?」という目で見られるので、報連相がしっかりしているだけで信頼度が全然違う。

私の場合、入社3年目くらいまでは「言われたらやる」タイプでした。でも先輩から「報告は聞かれる前にしろ」と何度も言われて、それが習慣になった。フリーランスになった今、これが一番役に立っているスキルかもしれません。

チームで働く経験

フリーランスは一人で動くイメージがあるかもしれませんが、実際はチームに入って仕事をすることがほとんど。正社員とフリーランスの違いは雇用形態であって、現場での動き方は基本同じなんですよね。チーム内での役割分担、他のメンバーとの連携、進捗の共有——全部、会社員時代に経験しておくと現場に入ったときにスムーズに馴染めます。

正社員時代とフリーランスの働き方の違いについては「正社員とフリーランスの違いとは?メリット・デメリットを体験談から解説」で詳しくまとめています。

トラブル対応の経験値

障害対応、顧客クレーム、スケジュール遅延。こういったトラブルへの対処法は、実際にその場にいないと学べません。会社員なら上司や先輩がフォローしてくれる環境でトラブル経験を積めるので、失敗してもリカバリーしやすい。

フリーランスでトラブル対応の引き出しがゼロだと、いざというとき何もできなくなります。インフラの現場だと、深夜の障害対応で冷静に手順を踏めるかどうかが信頼に直結する。これは場数でしか身につかないものです。

会社員からフリーランスへの転向を検討しているなら、エージェントに今の自分のスキルで狙える案件や単価帯を聞いてみるのが第一歩です。

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いきなりフリーランスになるリスク

最近はSNSで「会社員経験なしでもフリーランスでやれる」という発信を見かけます。できる人もいるかもしれない。でも、正直なところリスクの方が大きいと思っています。

信頼の土台がないまま現場に出る怖さ

フリーランスの面談では「これまでどんな経験がありますか?」と必ず聞かれます。会社員経験がないと、ここで話せるエピソードが極端に少なくなる。

私がフリーランスの面談で評価されたのは、SES時代に複数の現場を渡り歩いた経験でした。「Windows ServerとLinux両方の運用を担当していました」「VMware環境のリプレースプロジェクトに参加しました」——こういった具体的な経験談があるかないかで、面談の通過率は大きく変わります。面談対策については「フリーランスエンジニアの面談対策|案件獲得につなげる準備と心得」も参考にしてみてください。

お金の感覚がないまま独立するリスク

会社員なら毎月決まった給料が振り込まれます。でもフリーランスは、請求から入金まで1〜2ヶ月のタイムラグがある。税金・保険料も自分で管理しないといけない。

会社員時代に「手取りと額面の差」「社会保険料の負担額」を意識していた人は、フリーランスになってもお金の管理に困りにくい。逆にこの感覚がないまま独立すると、確定申告の時期に想定外の税金額に驚くことになりかねません。

会社員経験は何年くらいあるといいのか

「じゃあ何年くらい働けばフリーランスに転向してもいいの?」という疑問が出てくると思います。

最低3年、できれば5年以上が目安

あくまで私個人の感覚ですが、最低3年はあった方がいい。3年あれば、ビジネスマナーの基本、チームでの働き方、自分の専門分野の基礎が一通り身につきます。

ただ、単価交渉や案件の選択肢を考えると5年以上の実務経験がある方が圧倒的に有利。フリーランスエージェントの募集要件を見ても「実務経験3年以上」をラインにしている案件が多く、5年以上だと選べる案件の幅がぐっと広がります。

※出典:レバテックフリーランスの公開案件情報をもとにした目安

年数だけでなく「経験の密度」も見る

とはいえ、年数が長ければいいというものでもありません。同じ5年でも、1つの現場でルーティン作業だけを繰り返していた場合と、複数の現場で異なる技術に触れていた場合では、フリーランスとしての市場価値が全然違う。

私はSES時代に4〜5つの現場を経験しましたが、現場ごとに扱う技術や業界が違ったおかげで「引き出しの多さ」がフリーランスの武器になりました。年代別のキャリア戦略については「30代フリーランスエンジニアのキャリア戦略」でも触れています。

会社員のうちにやっておくべき準備

フリーランスに転向すると決めたら、会社員のうちにやっておくべきことがいくつかあります。退職してから「やっておけばよかった」と後悔しないために、早めに動いておきたいところ。

クレジットカードとローンの整備

フリーランスになると、クレジットカードの審査が通りにくくなります。住宅ローンも同様。会社員の信用があるうちに、必要なカードやローンは整えておいた方がいいです。

私も独立前にカードを2枚追加で作りました。フリーランスになってから申し込んだら、たぶん審査は厳しかったと思います。詳しくは「フリーランスエンジニアとクレジットカード|会社員のうちに作っておくべき理由」にまとめています。

生活防衛資金の確保

フリーランスになって最初の1〜2ヶ月は収入がゼロになる可能性があります。案件が決まっても、稼働開始から入金までにタイムラグがあるためです。

**最低でも生活費3ヶ月分、理想は6ヶ月分**の貯蓄を確保してから独立した方がいい。私の場合は約100万円を「フリーランス用の緊急資金」として別口座に分けてから退職しました。精神的な余裕が全然違います。

スキルの棚卸しと市場調査

自分が持っているスキルが市場でどの程度の単価で評価されるのか、会社員のうちに調べておくのも大事な準備。エージェントに登録して面談を受けるだけでも、自分の市場価値がわかります。

1年目にやるべきことは「【体験談あり】ITフリーランス1年目にやるべき5つのこと」にまとめているので、独立後のイメージを掴む参考にしてみてください。

まとめ

この記事の要点を振り返ります。

  • 会社員経験で身につくビジネスマナーや報連相は、フリーランスの信頼構築に直結する
  • 組織の仕事の進め方を知っていることで、現場で的確な立ち回りができる
  • いきなりフリーランスになるより、最低3年・できれば5年以上の実務経験を積む方がリスクが低い
  • 会社員のうちにクレジットカード整備・生活防衛資金の確保・スキルの棚卸しをしておく
  • 年数だけでなく、異なる現場や技術に触れる「経験の密度」も意識する

フリーランスという働き方に焦って飛び込むより、会社員時代の経験を武器に変えてから動いた方が結果的にうまくいきやすい。今の会社員生活は、将来の自分への投資期間だと捉えてみてください。

フリーランスへの一歩を踏み出す準備ができたら、まずはエージェントで自分に合った案件を探してみましょう。

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