フリーランスエンジニアとして独立すると、自由に働ける一方で、お金や税金の管理はすべて自己責任になります。
「エンジニアとしてのスキルには自信があるけど、お金まわりは不安…」という方は多いのではないでしょうか。
私も独立当初は税金や社会保険の仕組みをよく分かっておらず、思わぬ出費に悩まされたことがありました。
この記事では、そんな経験を踏まえながら、フリーランスとして安定して働くためのお金の管理方法をご紹介します。
フリーランスは生活費を半年〜1年分確保しておく
正社員と違い、フリーランスは案件が途切れると収入がゼロになる可能性があります。
そのため、収入ベースで考えるのではなく 生活費を基準にして半年〜1年分を貯蓄 しておくのがおすすめです。
実際に私も、案件変更により別のエージェント経由で参画した際は「支払いサイト」が50日だったため、働いた翌月にしか報酬が入らず、1ヶ月近く収入がない状態で困った経験が何度かあります。
👉 支払いサイトとは?
企業が業務を発注してから、実際に報酬が支払われるまでの期間のことです。
フリーランスの場合は「30日サイト」「50日サイト」などが多く、参画する前に必ず確認しておきましょう。
このように収入のタイミングは不安定なので、生活費を蓄えておくことが安心につながります。
税金と社会保険の負担は軽くない
フリーランスになると、以下のようなお金を自分で管理・納付する必要があります。
- 所得税
- 住民税
- 国民健康保険
- 国民年金
特に国民健康保険は前年の所得を基準に計算されるため、前年に高収入だった場合は「想定以上に高い請求」が来ることもあります。
請求が遅れてやってくることを理解したうえで、余裕を持って準備しておきましょう。
青色申告で節税を狙う
フリーランスの確定申告には「白色申告」と「青色申告」があります。
- 白色申告:控除額10万円。手続きは簡単だが節税効果は小さい
- 青色申告:最大65万円の控除(電子申告や複式簿記が条件)。節税効果が大きい
私は開業当初に青色申告の申請を忘れてしまい、後から税務署で指摘され、追加で税金を支払うことになった苦い経験があります。
これから独立する方は、開業届と一緒に青色申告承認申請書を提出するのを忘れないようにしましょう。
経費管理はツールや代行サービスを活用して効率化
フリーランスは経費を正しく計上することで税金を抑えられます。
- パソコンや周辺機器
- 書籍・技術資料
- インターネット・通信費(業務利用分)
- 打ち合わせや移動の交通費
- 勉強会やセミナーの参加費
フリーランスは本業以外にも経理作業が必要ですが、すべてを自分で抱えると大きな負担になります。
最近では クラウド会計ソフト を活用して仕訳やレシート管理を効率化したり、記帳代行サービス に依頼することで、本業に集中できる環境を整える方も増えています。
コストはかかりますが、節税や正確な確定申告につながるため、長期的に見ればメリットが大きい選択肢です。
将来を見据えた税金対策
会社員と違い、フリーランスには退職金や企業年金がありません。
そのため、自分で将来に備える必要があります。
小規模企業共済
- 掛金は全額所得控除になる
- 将来の退職金代わりになる
👉 デメリット:途中解約すると元本割れの可能性がある
iDeCo(個人型確定拠出年金)
- 掛金が全額所得控除になる
- 運用益も非課税
👉 デメリット:60歳まで引き出せない
どちらも節税効果は大きいですが「資金を拘束される」という点には注意が必要です。
ふるさと納税も有効な節税策
もう一つおすすめなのが ふるさと納税 です。
自己負担2,000円で各地の特産品がもらえる上に、翌年の住民税や所得税が控除されます。
ただし、控除上限を超えて寄付してしまうと単なる「寄付」になってしまうので、必ず上限を確認してから利用しましょう。
浪費には要注意
収入が会社員時代より増えると「少しくらい贅沢しても大丈夫」と思いがちです。
しかし、税金や社会保険、将来の備えを考えると、自由に使えるお金は意外と少ないものです。
私も独立当初は「収入が上がった」と安心して出費が増えた時期がありましたが、後から税金や保険料の請求が来て反省しました。
「入った分はすべて使わない」 を意識するだけで、お金の不安は大きく減ります。
まとめ
フリーランスにとって、お金の管理は「自由に働き続けるための基盤」です。
- 生活費は半年〜1年分を確保しておく
- 支払いサイトを必ず確認する
- 青色申告で節税する
- 経費を正しく計上する
- 小規模企業共済やiDeCoで将来に備える
- ふるさと納税で住民税・所得税を軽減する
- 浪費を防ぎ、余裕を持った資金管理を心がける
スキルや案件の安定も大切ですが、お金の安心があってこそ長く働き続けられます。
今後フリーランスを目指す方は、ぜひ「お金の管理」もキャリアの一部として取り入れてみてください。
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